このたびの東日本大震災において、お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。(合掌)
そして被災され、生活環境を大きく変えられ頑張っておられる皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
鈴木正男 & SWING TIMES 鈴木正男、長田明子、メンバー一同
こんな時だからこそ音楽が威力を発揮し、皆を元気付け明るいエネルギーを与えられるのではないかと思う。
が、ここへきてライブやイベント、催事が軒並み中止や延期となり、音楽が鳴りを潜めてしまった。つまりはミュージシャンの仕事も急激に無くなってしまっているということである。
こんな時期だからとはいえ、そろそろ皆が元気を出さなければいけない時期でもある。そうこんな時期だからこそ、ミュージシャンの、スイングの力が役に立つのではないのだろうか。
あの3月11日以来、節約・節電ムードで普段なら常にパイロット・ランプは点いている各種デッキ類も、聴くときに入れようとコンセントから外してしまっていた。
聴きたいと思ったときに、即音が出せないとつい煩わしくなっていつの間にか20日以上も火を入れてないことに気がついた。
しかしここまで来ると、震災のショックでしばらく聴いていない禁断症状もないままの体調不良を、通常と勘違いをして過ごしていたことに気がついた。異常も日々続けば日常となる、というヤツである。
それはよくないと、早速グッドマンのスイング・シャワーを浴びてサッパリしようとCD棚の前へ行ったが、今度は何を選んで聴いたらよいのか判断がつかない。運動不足ならぬ、まさにスイング不足で身体が、感覚が即反応しないのだ。困ったものだ。

そこでふと目に留まったのが、前回2月28日の「鈴木正男 & SWING TIMES」のMANDALAでのライブの記録である。
そうだ、これにしよう!と早速、第一部、第二部と続けて聴いた。
そこで気がついたのだが、あの3月11日を境にして、どうやら感覚が変わってしまったらしい。決してオーバーではなく、あの未曾有の災害を挟んで少なくとも私の中では時代が変わったのである。
どういうことかというと、「鈴木正男 & SWING TIMES」の演奏を、オープニングの「Let’s Dance」の鈴木正男のイントロに続いて流れるようなアンサンブルを聴いて、今までに感じたことの無い胸に迫るものを覚えた。えも言われぬ懐かしさがこみ上げてきた。
それから「Jersey Bounce」、「Mission To Moscow」‥と、スイングが私の中で今までと違ったものになるのを感じたのである。2001年9月11日以降、アメリカが時代感覚を変えたように━
その後何日か経って、プラシド・ドミンゴが公演後のアンコールに応えて、今回の被災者のために「ふるさと」を日本語で歌うのをTVで観て、同じような感覚を覚えた。(4月10日「プラシド・ドミンゴ コンサート イン ジャパン2011」)
スイングはある意味、1920~40年代にかけて大衆の心を捉えた流行歌(曲)のようなものである。その心に響いた何かが、今回のような人生観が変わるともいえる災害をきっかけに、ある意味時代が変わるであろう時に、とくに好きな者にとっては懐かしい感覚となって顔を出してくるのではないだろうか。
「鈴木正男 & SWING TIMES」の次回のライブは4月26日(火)「南青山MANDALA」。ベニー・グッドマンの小気味のいいサウンドも、グレン・ミラーの優しいサウンドも、何となく落ち着かない毎日にやすらぎの隙間を教えてくれるはずである。
ひと時のなごやかさと明るさと、何はともあれあのスイング感を想い出しに、是非お出かけください。
まだまだ先は長く、頑張らなくてはならない今こそ、いまこそ、Let’s Swing!
そして被災され、生活環境を大きく変えられ頑張っておられる皆さまに、心からお見舞いを申し上げます。
鈴木正男 & SWING TIMES 鈴木正男、長田明子、メンバー一同
こんな時だからこそ音楽が威力を発揮し、皆を元気付け明るいエネルギーを与えられるのではないかと思う。
が、ここへきてライブやイベント、催事が軒並み中止や延期となり、音楽が鳴りを潜めてしまった。つまりはミュージシャンの仕事も急激に無くなってしまっているということである。
こんな時期だからとはいえ、そろそろ皆が元気を出さなければいけない時期でもある。そうこんな時期だからこそ、ミュージシャンの、スイングの力が役に立つのではないのだろうか。
あの3月11日以来、節約・節電ムードで普段なら常にパイロット・ランプは点いている各種デッキ類も、聴くときに入れようとコンセントから外してしまっていた。
聴きたいと思ったときに、即音が出せないとつい煩わしくなっていつの間にか20日以上も火を入れてないことに気がついた。
しかしここまで来ると、震災のショックでしばらく聴いていない禁断症状もないままの体調不良を、通常と勘違いをして過ごしていたことに気がついた。異常も日々続けば日常となる、というヤツである。
それはよくないと、早速グッドマンのスイング・シャワーを浴びてサッパリしようとCD棚の前へ行ったが、今度は何を選んで聴いたらよいのか判断がつかない。運動不足ならぬ、まさにスイング不足で身体が、感覚が即反応しないのだ。困ったものだ。

そこでふと目に留まったのが、前回2月28日の「鈴木正男 & SWING TIMES」のMANDALAでのライブの記録である。
そうだ、これにしよう!と早速、第一部、第二部と続けて聴いた。
そこで気がついたのだが、あの3月11日を境にして、どうやら感覚が変わってしまったらしい。決してオーバーではなく、あの未曾有の災害を挟んで少なくとも私の中では時代が変わったのである。
どういうことかというと、「鈴木正男 & SWING TIMES」の演奏を、オープニングの「Let’s Dance」の鈴木正男のイントロに続いて流れるようなアンサンブルを聴いて、今までに感じたことの無い胸に迫るものを覚えた。えも言われぬ懐かしさがこみ上げてきた。
それから「Jersey Bounce」、「Mission To Moscow」‥と、スイングが私の中で今までと違ったものになるのを感じたのである。2001年9月11日以降、アメリカが時代感覚を変えたように━
その後何日か経って、プラシド・ドミンゴが公演後のアンコールに応えて、今回の被災者のために「ふるさと」を日本語で歌うのをTVで観て、同じような感覚を覚えた。(4月10日「プラシド・ドミンゴ コンサート イン ジャパン2011」)
スイングはある意味、1920~40年代にかけて大衆の心を捉えた流行歌(曲)のようなものである。その心に響いた何かが、今回のような人生観が変わるともいえる災害をきっかけに、ある意味時代が変わるであろう時に、とくに好きな者にとっては懐かしい感覚となって顔を出してくるのではないだろうか。
「鈴木正男 & SWING TIMES」の次回のライブは4月26日(火)「南青山MANDALA」。ベニー・グッドマンの小気味のいいサウンドも、グレン・ミラーの優しいサウンドも、何となく落ち着かない毎日にやすらぎの隙間を教えてくれるはずである。
ひと時のなごやかさと明るさと、何はともあれあのスイング感を想い出しに、是非お出かけください。
まだまだ先は長く、頑張らなくてはならない今こそ、いまこそ、Let’s Swing!
春一番が吹いた4月中旬の温かさという日の直後、冷たい雨の2月28日、「鈴木正男 & Swing Times」のライブがあった。(とはいえ、夜には雨は上がっていたが‥)
寒いとは言っても、その寒さに角がとれてきたのは春の兆し。さらに春を感じたのはSWING TIMESの華やかな演奏である。
いつもながらだが、オープニング・テーマの「Let’s Dance」イントロの鈴木正男のクラリネットとそれに続く滑らかなアンサンブルを聴くと、やはりどこかウキウキしてくる。この冬は一段と寒かったせいか、今回は一層そう思うのだろう。




いつもなら「Let’s Dance」の後は続けて「Don’t Be That Way」のはずだが、今回はちょっと違った。「Jersey Bounce」だった。永年SWING TIMESの演奏を聴いているが、あまり覚えがない。リーダーの鈴木正男に、何か心境の変化でもあったのだろうか。
それにしてもこの日この後も度々聴かせてくれるが、ベテラン唐木洋介、田辺信男のテナーは渋く味わい深い‥
そして次の曲もテムポ良く「Mission To Moscow」から「Cherry」。「Mission To Moscow」はともかく「Cherry」はあまり聴かない。このSWING TIMESでも季節物で年に1回、それもいつもは4月のライブでだが、その頃はサクラも終わっているからと今年はその前にということで、花のベニー・グッドマン春一番のおしるしに持ってきたのであろう。
これですっかり春めいた。
気分も変わって、長田明子のミディアム・テムポの「It Could Happen To You」で春の宵もふっと艶っぽくなった。
しかも珍しく間に入った鈴木孝二のアルト・サックスと、鈴木直樹のクラリネットがまた滅法良かった。これだからSWING TIMESのライブは堪らない。
長田明子のヴォーカルの間奏は、いつもメンバーの誰かがすっくと立って吹く。これがまた得も言われぬ名演なのである。これを聴くだけでも価値がある。
そして「Where Or When」。前にも書いたが、長田明子ならではのしみじみと聴き入って味わえるのが楽しい。ちなみにここでの間奏はトロンボーンの内田光昭。夜の闇に溶け入りそうな吹き回しが印象的だ。
長田明子の第一部のラストは、グッドマンと若きペギー・リーでお馴染みの「Why Don’t You Do Right」。考えてみれば、オーケストラをバックにこの歌を歌う人が他にいるだろうか。聴いていてふとそう思った。何ともいえない投げやり感が味になっていた。


この日の圧巻は、「Roll E’m」と「Oh! Baby」である。
もともとドラマチックなナンバーで聴きごたえがあるが、大橋高志(pf)、蓮見芳男(gui)、田辺信男(ts)、唐木洋介(ts)、鈴木孝二(as)、鈴木直樹(as)、大堀 博(bs)、鈴木正晃(tp)など、それぞれソロが素晴らしかった。
いずれにしても、これだけのメンバーがそろっての演奏は他ではとても聴かれるものではない。
第二部はいつものようにグレン・ミラー特集から始まったが、中でもこの日の「In The Mood」は出色だった。
リーダーの鈴木正男も言っていた。
「永年一緒にやっているメンバーだからこその、とはいえそうはなかなかない出来栄え。日頃の様々な胸のつかえが一辺に降りるような演奏だった!」と絶賛していた。
毎日のように演奏しているプロでも、そういうことがあるのだと教えられた。この日のお客さんは得をしたと言えよう。




得をしたといえば、ライブの最後の最後、アンコールでちょっとしたハプニングがあった。
最後のプログラムは鈴木章治作曲の「Festival And Children」(祭りと子供たち)だったが、当然のようにアンコールのおねだりがあって、曲紹介も無く演奏を始めたのがなんと「The Pink Panther」(ピンク・パンサーのテーマ)。
これもグッドマンの演奏の中にもあるが、あまり知られていないと思う。そういう意味ではハプニングでもあり、大いに得をしたと言えよう。
後で鈴木正男に聞くと━「この日に合わせて書いていた」のだそうだ。
そういえば以前に、こんな曲面白いね、と手元にあるCDをあれこれと渡しておいたものの中に「The Pink Panther」のテーマもあった。それを、キミに知らせると演奏前にブログに書かれちゃうから秘密にしておいた、と言う。




しかもアンコールで、さらにタイトルも言わずに━もちろん誰もが知っているナンバーだけに意表を突いた効果は大きかった。こんな洒落心は大歓迎である。
歌舞伎の「三人吉三巴白浪」のお嬢吉三じゃないが━
「こいつぁ、春から縁起がいいわぃ!」
そういえばお嬢吉三もピンク・パンサーも盗賊。妙に符号が合っている‥と一人悦に入ってしまった。
そして「ピンク・パンサー」のテーマの後、最後の最後の最後はお馴染みの「Good Bye」。
グッドマンではお馴染みだが、SWING TIMESでは普段ほとんどやらない。鈴木正男がこの曲を聴くとホントに皆終わってしまいそうでイヤだ、と言ってやらなかった。
今までにこの日を合わせて2回だけ記憶がある。
演奏曲目
第一部
01 Let’s Dance
02 Jersey Bounce
03 Mission To Moscow
04 Cherry
05 Mostly Mozart
06 It Could Happen To You (vo)
07 Where Or When (vo)
08 Why Don’t You Do Right (vo)
09 A Ring With Pearl
10 Prelude To Kiss
11 Roll E’m
第二部
01 Stardust
02 Johnson Rag
03 A String Of Pearls
04 Moonlight Serenade
05 In The Mood
06 Get Out Of Town (vo)
07 Fools Rush In (vo)
08 East Of The Sun (vo)
09 Oh! Baby
10 Sleepy Lagoon
11 Festival And Children
12 The Pink Panther
13 Good Bye
※メンバーは写真にカーソルを合わせると名前が分かります。
※次回のライブは4月26日(火)「南青山MANDALA」である。
寒いとは言っても、その寒さに角がとれてきたのは春の兆し。さらに春を感じたのはSWING TIMESの華やかな演奏である。
いつもながらだが、オープニング・テーマの「Let’s Dance」イントロの鈴木正男のクラリネットとそれに続く滑らかなアンサンブルを聴くと、やはりどこかウキウキしてくる。この冬は一段と寒かったせいか、今回は一層そう思うのだろう。




いつもなら「Let’s Dance」の後は続けて「Don’t Be That Way」のはずだが、今回はちょっと違った。「Jersey Bounce」だった。永年SWING TIMESの演奏を聴いているが、あまり覚えがない。リーダーの鈴木正男に、何か心境の変化でもあったのだろうか。
それにしてもこの日この後も度々聴かせてくれるが、ベテラン唐木洋介、田辺信男のテナーは渋く味わい深い‥
そして次の曲もテムポ良く「Mission To Moscow」から「Cherry」。「Mission To Moscow」はともかく「Cherry」はあまり聴かない。このSWING TIMESでも季節物で年に1回、それもいつもは4月のライブでだが、その頃はサクラも終わっているからと今年はその前にということで、花のベニー・グッドマン春一番のおしるしに持ってきたのであろう。
これですっかり春めいた。
気分も変わって、長田明子のミディアム・テムポの「It Could Happen To You」で春の宵もふっと艶っぽくなった。
しかも珍しく間に入った鈴木孝二のアルト・サックスと、鈴木直樹のクラリネットがまた滅法良かった。これだからSWING TIMESのライブは堪らない。
長田明子のヴォーカルの間奏は、いつもメンバーの誰かがすっくと立って吹く。これがまた得も言われぬ名演なのである。これを聴くだけでも価値がある。
そして「Where Or When」。前にも書いたが、長田明子ならではのしみじみと聴き入って味わえるのが楽しい。ちなみにここでの間奏はトロンボーンの内田光昭。夜の闇に溶け入りそうな吹き回しが印象的だ。
長田明子の第一部のラストは、グッドマンと若きペギー・リーでお馴染みの「Why Don’t You Do Right」。考えてみれば、オーケストラをバックにこの歌を歌う人が他にいるだろうか。聴いていてふとそう思った。何ともいえない投げやり感が味になっていた。


この日の圧巻は、「Roll E’m」と「Oh! Baby」である。
もともとドラマチックなナンバーで聴きごたえがあるが、大橋高志(pf)、蓮見芳男(gui)、田辺信男(ts)、唐木洋介(ts)、鈴木孝二(as)、鈴木直樹(as)、大堀 博(bs)、鈴木正晃(tp)など、それぞれソロが素晴らしかった。
いずれにしても、これだけのメンバーがそろっての演奏は他ではとても聴かれるものではない。
第二部はいつものようにグレン・ミラー特集から始まったが、中でもこの日の「In The Mood」は出色だった。
リーダーの鈴木正男も言っていた。
「永年一緒にやっているメンバーだからこその、とはいえそうはなかなかない出来栄え。日頃の様々な胸のつかえが一辺に降りるような演奏だった!」と絶賛していた。
毎日のように演奏しているプロでも、そういうことがあるのだと教えられた。この日のお客さんは得をしたと言えよう。




得をしたといえば、ライブの最後の最後、アンコールでちょっとしたハプニングがあった。
最後のプログラムは鈴木章治作曲の「Festival And Children」(祭りと子供たち)だったが、当然のようにアンコールのおねだりがあって、曲紹介も無く演奏を始めたのがなんと「The Pink Panther」(ピンク・パンサーのテーマ)。
これもグッドマンの演奏の中にもあるが、あまり知られていないと思う。そういう意味ではハプニングでもあり、大いに得をしたと言えよう。
後で鈴木正男に聞くと━「この日に合わせて書いていた」のだそうだ。
そういえば以前に、こんな曲面白いね、と手元にあるCDをあれこれと渡しておいたものの中に「The Pink Panther」のテーマもあった。それを、キミに知らせると演奏前にブログに書かれちゃうから秘密にしておいた、と言う。




しかもアンコールで、さらにタイトルも言わずに━もちろん誰もが知っているナンバーだけに意表を突いた効果は大きかった。こんな洒落心は大歓迎である。
歌舞伎の「三人吉三巴白浪」のお嬢吉三じゃないが━
「こいつぁ、春から縁起がいいわぃ!」
そういえばお嬢吉三もピンク・パンサーも盗賊。妙に符号が合っている‥と一人悦に入ってしまった。
そして「ピンク・パンサー」のテーマの後、最後の最後の最後はお馴染みの「Good Bye」。
グッドマンではお馴染みだが、SWING TIMESでは普段ほとんどやらない。鈴木正男がこの曲を聴くとホントに皆終わってしまいそうでイヤだ、と言ってやらなかった。
今までにこの日を合わせて2回だけ記憶がある。
演奏曲目
第一部
01 Let’s Dance
02 Jersey Bounce
03 Mission To Moscow
04 Cherry
05 Mostly Mozart
06 It Could Happen To You (vo)
07 Where Or When (vo)
08 Why Don’t You Do Right (vo)
09 A Ring With Pearl
10 Prelude To Kiss
11 Roll E’m
第二部
01 Stardust
02 Johnson Rag
03 A String Of Pearls
04 Moonlight Serenade
05 In The Mood
06 Get Out Of Town (vo)
07 Fools Rush In (vo)
08 East Of The Sun (vo)
09 Oh! Baby
10 Sleepy Lagoon
11 Festival And Children
12 The Pink Panther
13 Good Bye
※メンバーは写真にカーソルを合わせると名前が分かります。
※次回のライブは4月26日(火)「南青山MANDALA」である。
ジャズ好きのある男が、バーモント州の州都モントピリアのホテルに泊まった。
ビジネスを済ませホテルに戻ってくると、ロビーの奥のボウルルームらしき扉の奥からあのクラリネットに縁どられた柔らかいサウンドが洩れてくる。
近くに寄ってみると、入り口のたて看板に「今夜のバンド“グレン・ミラーオーケストラ”」とあった。
根が好きなだけに男はうれしくなりボウルルームの扉を開けて中へ入ろうとして、フト足を止めた。
窓際の小さなテーブルと椅子の脇の、身だしなみを調えるためのミラーに、窓から覗く満月が映っていたのである。まさに「Moonlight In Vermont」。
そして扉の奥から洩れ聴こえてくるのが、おあつらえ向きに「Moonlight Serenade」。
彼は中へ入るのを止めてこうなれば徹底的に凝ってやろうと、ロビーに戻り通りかかったホテルマンを捕まえるとある酒を注文し、さっきの場所に戻った。
最近はあまり馴染みもなく、バーの棚の奥に1本だけ残っていたと言うトウモロコシ(80%)とピート香を付けていない大麦麦芽(20%)を混ぜ連続蒸留したボトルとグラスをバーテンが持って来た。
窓際の小さな椅子に腰を下ろし、立てかけたミラーに映るムーン・ライトを浴びながら、さらに扉の奥からの緩やかに流れるようなムーンライト・セレナーデに浸りながら、そしてグラスの中のグレン(ウイスキー)を舐めながら、何もかもすっかりグレン・ミラーに酔いしれた。

グレン・ミラーのテーマでもある「Moonlight Serenade」を心地よく聴いていて、こんな小噺をムリヤリ捻ってみた。
何年か前までは、「鈴木正男 & SWING TIMES」のライブの、グレン・ミラーのナンバー中心の第2部は必ずこの「Moonlight Serenade」で始まった。
最近はちょっとしたサプライズというか、珍しいナンバーを挟んでお馴染みのナンバーを次から次へと楽しませてくれる。
この「Moonlight Serenade」が始まると会場の雰囲気がパッと明るくなり、お客さんの間にホッとした空気が流れ、拍手が湧く。本当にみんなこの曲が好きである。
グレン・ミラーの古いレコードを引っ張り出して改めて聴いて見ると、テンポがかなり遅い。
普段あちこちで聴くテンポに慣れ普通に思っていた耳には、驚くほどゆっくりとしている。はじめ驚くが、いつの間にか引き込まれて聴き入ってしまう。そうか、昔はこんなテンポでやっていたんだ。
我々が盛んに聴いていた昭和30年代もこんなテンポだったんだろうか。
それにしてもいつから今のようなテンポになったのだろう。一度色々なオーケストラの演奏を、1945年(グレン・ミラーが亡くなった翌年)頃から録音月日を確かめながら聴いてみようか。面白いかもしれない。
さて「鈴木正男 & SWING TIMES」のグレン・ミラーもののレパートリーというと、もちろん「Moonlight Serenade」だけではない。
・In The Mood
・American Patrol
・String Of Pearl
・Pennsylvania 6-5000
・Little Brown Jug
・St. Louis Blues March
・Tuxedo Junction
・Song Of The Volga Boatman
・Danny Boy etc.
これらのナンバーは特にジャズファンでなくても、普通に知られているから凄い。
ベニー・グッドマンの演奏で普通に知られているナンバーが何曲あるだろう。「Sing, Sing, Sing」、「Memories Of You」‥グレン・ミラーほど知られているかというと、どうだろう‥
単純に比較はできないが、それにアメリカと日本の事情の違いもあるだろうが、いずれにしてもグレン・ミラーのスタイルはメロディーが分かりやすく掴まえやすい(覚えやすい)。

慣れ親しんできたグレン・ミラーのヒット曲を、次から次へとたっぷりと聴くというのも、実に贅沢なもんである。しかもベニー・グッドマンとセットで━
そう言えば、ずいぶん前になるが横田基地在籍の太平洋空軍バンド「パシフィック・ショウ・ケース」と一緒に、「Glenn Meets Benny」(1981年 主催グレン・ミラー生誕地協会日本支部)と題したコンサートがあった。
グッドマンもミラーも若かりし頃、かつてベン・ポラック楽団で一緒だったことがあると言うことから生まれた企画で、もちろん「パシフィック・ショウ・ケース」がグレン・ミラーを、「鈴木正男 & SWING TIMES」がベニー・グッドマンを、まさにバンド合戦さながらにやった。歌はジェリー伊藤とタイムファイブと、それに長田明子。それは楽しいコンサートだった。
(そう言えば、「グレン・ミラー生誕地協会」の青木さん、最近ライブに見えないがどうしただろう。連絡してみよう…)
「ムーンライト・セレナーデ」に誘われて…
どことなくキラキラしてロマンチックな気分になって、何だかじっとしていられなくなる。
次回の「鈴木正男 & SWING TIMES」のライブは2月28日(月)南青山「MANDALA」である。
ビジネスを済ませホテルに戻ってくると、ロビーの奥のボウルルームらしき扉の奥からあのクラリネットに縁どられた柔らかいサウンドが洩れてくる。
近くに寄ってみると、入り口のたて看板に「今夜のバンド“グレン・ミラーオーケストラ”」とあった。
根が好きなだけに男はうれしくなりボウルルームの扉を開けて中へ入ろうとして、フト足を止めた。
窓際の小さなテーブルと椅子の脇の、身だしなみを調えるためのミラーに、窓から覗く満月が映っていたのである。まさに「Moonlight In Vermont」。
そして扉の奥から洩れ聴こえてくるのが、おあつらえ向きに「Moonlight Serenade」。
彼は中へ入るのを止めてこうなれば徹底的に凝ってやろうと、ロビーに戻り通りかかったホテルマンを捕まえるとある酒を注文し、さっきの場所に戻った。
最近はあまり馴染みもなく、バーの棚の奥に1本だけ残っていたと言うトウモロコシ(80%)とピート香を付けていない大麦麦芽(20%)を混ぜ連続蒸留したボトルとグラスをバーテンが持って来た。
窓際の小さな椅子に腰を下ろし、立てかけたミラーに映るムーン・ライトを浴びながら、さらに扉の奥からの緩やかに流れるようなムーンライト・セレナーデに浸りながら、そしてグラスの中のグレン(ウイスキー)を舐めながら、何もかもすっかりグレン・ミラーに酔いしれた。

グレン・ミラーのテーマでもある「Moonlight Serenade」を心地よく聴いていて、こんな小噺をムリヤリ捻ってみた。
何年か前までは、「鈴木正男 & SWING TIMES」のライブの、グレン・ミラーのナンバー中心の第2部は必ずこの「Moonlight Serenade」で始まった。
最近はちょっとしたサプライズというか、珍しいナンバーを挟んでお馴染みのナンバーを次から次へと楽しませてくれる。
この「Moonlight Serenade」が始まると会場の雰囲気がパッと明るくなり、お客さんの間にホッとした空気が流れ、拍手が湧く。本当にみんなこの曲が好きである。
グレン・ミラーの古いレコードを引っ張り出して改めて聴いて見ると、テンポがかなり遅い。
普段あちこちで聴くテンポに慣れ普通に思っていた耳には、驚くほどゆっくりとしている。はじめ驚くが、いつの間にか引き込まれて聴き入ってしまう。そうか、昔はこんなテンポでやっていたんだ。
我々が盛んに聴いていた昭和30年代もこんなテンポだったんだろうか。
それにしてもいつから今のようなテンポになったのだろう。一度色々なオーケストラの演奏を、1945年(グレン・ミラーが亡くなった翌年)頃から録音月日を確かめながら聴いてみようか。面白いかもしれない。
さて「鈴木正男 & SWING TIMES」のグレン・ミラーもののレパートリーというと、もちろん「Moonlight Serenade」だけではない。
・In The Mood
・American Patrol
・String Of Pearl
・Pennsylvania 6-5000
・Little Brown Jug
・St. Louis Blues March
・Tuxedo Junction
・Song Of The Volga Boatman
・Danny Boy etc.
これらのナンバーは特にジャズファンでなくても、普通に知られているから凄い。
ベニー・グッドマンの演奏で普通に知られているナンバーが何曲あるだろう。「Sing, Sing, Sing」、「Memories Of You」‥グレン・ミラーほど知られているかというと、どうだろう‥
単純に比較はできないが、それにアメリカと日本の事情の違いもあるだろうが、いずれにしてもグレン・ミラーのスタイルはメロディーが分かりやすく掴まえやすい(覚えやすい)。

慣れ親しんできたグレン・ミラーのヒット曲を、次から次へとたっぷりと聴くというのも、実に贅沢なもんである。しかもベニー・グッドマンとセットで━
そう言えば、ずいぶん前になるが横田基地在籍の太平洋空軍バンド「パシフィック・ショウ・ケース」と一緒に、「Glenn Meets Benny」(1981年 主催グレン・ミラー生誕地協会日本支部)と題したコンサートがあった。
グッドマンもミラーも若かりし頃、かつてベン・ポラック楽団で一緒だったことがあると言うことから生まれた企画で、もちろん「パシフィック・ショウ・ケース」がグレン・ミラーを、「鈴木正男 & SWING TIMES」がベニー・グッドマンを、まさにバンド合戦さながらにやった。歌はジェリー伊藤とタイムファイブと、それに長田明子。それは楽しいコンサートだった。
(そう言えば、「グレン・ミラー生誕地協会」の青木さん、最近ライブに見えないがどうしただろう。連絡してみよう…)
「ムーンライト・セレナーデ」に誘われて…
どことなくキラキラしてロマンチックな気分になって、何だかじっとしていられなくなる。
次回の「鈴木正男 & SWING TIMES」のライブは2月28日(月)南青山「MANDALA」である。
歳をとるのも満更悪くない‥と時々思うことがある。
文章や絵画、あるいは映画や音楽などしみじみといいな、と思えることにふと気がついた時など、ついほくそえんでしまう。
ずい分前になるが、夜の10時ごろ、仕事の合間に一休みしようと2~3日前に預かった長田明子の『A TIME FOR LOVE』のテスト盤を聴き始めた。が、すぐにCDを止め、仕事の途中だったコンピュータを落とし、ソファのクッションを整え、グラスを用意して改めて聴き始めた。
ミディアム・テムポのエディ・ヒギンズ(pf)のイントロ(4小節)につづいて、抑えぎみに歌う長田明子のスイング感が快い。
リチャード・ロジャース(曲)とロレンツ・ハート(詞)の名曲「Where Or When」。このナンバーに妙な媚やシナはいらない。真っ直ぐにこのメロディの美しさを‥彼女ならではの良さがこのナンバーに凝縮されているような気がする。
タイトルは次の「A Time For Love」になってはいるが、この「Where Or When」でもいいのではと思わせるオープニング・ナンバーである。
(それにしてもエディ・ヒギンズのピアノ、いいなぁ!)
『A TIME FOR LOVE=EDDIE HIGGINS TRIO with AKIKO OSADA 2』。
長田明子が名ピアニスト エディ・ヒギンズと共にレコーディングした3枚のCDのうちの2枚目(2002年)である。他の2枚『MY ROMANCE』(2001年)と『WINTER MOON』(2006年)は昨年紹介した。
メンバーはエディ・ヒギンズトリオ(ベース ジェイ・レオンハート、ドラムス ジョー・アシオーネ=『MY ROMANCE』にも参加)に、ベテランのトランペット ドン・シックラーと、SWING TIMESのリーダー鈴木正男のクラリネットが何曲かづつ参加している。

このトランペットのドン・シックラーがいい。
「Cry Me A River」の自然な吹き回しが聴いてるものの感情に沿ってうっすらと色づき、聴き入ってしまった。長田明子の歌もやはり妙な雰囲気を出さない歌い方が、むしろ官能的でさえある。
「Willow Weep For Me」にも同じことが言えて、とてもいいコンビネーションである。
「Memories Of You」は、永年一緒にやっている鈴木正男のクラリネットが、やはり余計な音は使わないシンプルさが、長田の歌と共に情感の豊かさを伝えてくる。
永年二人の演奏に立会い聴いているが、やはりこんなしっくりとくる演奏は無かったと思う。と言うくらい良い。
「As Long As Live」にも鈴木正男のクラリネットが加わっているが、こちらも飾り気の無いスイング感が心地いい。
もう一つ特筆しておくと、ファッツ・ウォーラーの「Ain’t Miss Behavin’」(ドン・シックラー参加)。こういう軽妙なナンバーはいいなぁ。長田明子の得意とする世界だろう。
それから先ほどの「Where Or When」について書いていてふと、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートのコンビのナンバーをもっと聴いてみたいと思った。「Blue Moon」、「My Funny Valentine」、「Bewitched」‥他に何を歌っていただろう‥「I Didn’t Know What Time It Was」なんてどうだろう‥
2009年8月31日。エディ・ヒギンズはまるで伝道者のように、我々にジャズの大きな包容力を、安らぎを、そして楽しむ術を教えてくれたような気がする。たくさんのCDを残して━
そんな中の3枚が、昨年から紹介してきた長田明子とのものである。我々は身近なミュージシャン、長田明子を通して、彼の音楽の楽しみのさらなる大きさを知った。
できれば長田明子との作品も、望むべくも無いがもっと残しておいて欲しかった。長田明子のもっと違った世界が楽しめたかもしれない。
エディ・ヒギンズもライナー・ノーツの中で言っている━
『私の50年以上のキャリアの中で、ビリー・ホリディ、アニタ・オディ、ジャック・ティーガーデン、ジョー・ウィリアム、ジョニー・ハートマン、メル・トーメ、アーネスティナ・アンダーソンといった多くの偉大なるジャズ・シンガーと一緒に仕事ができると言う、楽しみがありました。
いつからか、その素晴らしいシンガーと一緒にプレイさせて貰うことが、私の楽しみのひとつになりました。
アキコ・オサダと2回目の録音でもある今回のCDで、まさにその「楽しみ」がひとつ増えたようです。(後略)』(『A TIME FOR LOVE』ライナー・ノーツより)
長田明子の歌を通して、しみじみとした味わいの楽しみを教えてくれた偉大なピアニスト、 エディ・ヒギンズに感謝したい。
『A TIME FOR LOVE=EDDIE HIGGINS TRIO with AKIKO OSADA 2』
01 Where Or When
02 A Time For Love
03 Cry Me A River
04 Memories Of You
05 The Shining Sea
06 Willow Weep For Me
07 Between The Devil And The Deep Blue Sea
08 The Man I Love
09 As Long As I ve
10 I Wish You Love
11 Ain’t Misbehavin’
12 Stairway To Stars
13 Dream A Little Dream Of Me
14 A Child Is Born
メンバー
長田明子 (vo)
Eddie Higgins (pf)
Jay Leonhart (b)
Joe Ascione (ds)
Don Sickler (tp)
鈴木正男 (cla)
※エディ・ヒギンズとの長田明子のCD、第一作目『MY ROMANCE』、第二作目『A TIME FOR LOVE』、第三作目『WINTER MOON』ともに、多少在庫があるそうです。
このブログにてお問合せ、あるいはお申し込みいただければ手配をいたします。
文章や絵画、あるいは映画や音楽などしみじみといいな、と思えることにふと気がついた時など、ついほくそえんでしまう。
ずい分前になるが、夜の10時ごろ、仕事の合間に一休みしようと2~3日前に預かった長田明子の『A TIME FOR LOVE』のテスト盤を聴き始めた。が、すぐにCDを止め、仕事の途中だったコンピュータを落とし、ソファのクッションを整え、グラスを用意して改めて聴き始めた。
ミディアム・テムポのエディ・ヒギンズ(pf)のイントロ(4小節)につづいて、抑えぎみに歌う長田明子のスイング感が快い。
リチャード・ロジャース(曲)とロレンツ・ハート(詞)の名曲「Where Or When」。このナンバーに妙な媚やシナはいらない。真っ直ぐにこのメロディの美しさを‥彼女ならではの良さがこのナンバーに凝縮されているような気がする。
タイトルは次の「A Time For Love」になってはいるが、この「Where Or When」でもいいのではと思わせるオープニング・ナンバーである。
(それにしてもエディ・ヒギンズのピアノ、いいなぁ!)
『A TIME FOR LOVE=EDDIE HIGGINS TRIO with AKIKO OSADA 2』。
長田明子が名ピアニスト エディ・ヒギンズと共にレコーディングした3枚のCDのうちの2枚目(2002年)である。他の2枚『MY ROMANCE』(2001年)と『WINTER MOON』(2006年)は昨年紹介した。
メンバーはエディ・ヒギンズトリオ(ベース ジェイ・レオンハート、ドラムス ジョー・アシオーネ=『MY ROMANCE』にも参加)に、ベテランのトランペット ドン・シックラーと、SWING TIMESのリーダー鈴木正男のクラリネットが何曲かづつ参加している。

このトランペットのドン・シックラーがいい。
「Cry Me A River」の自然な吹き回しが聴いてるものの感情に沿ってうっすらと色づき、聴き入ってしまった。長田明子の歌もやはり妙な雰囲気を出さない歌い方が、むしろ官能的でさえある。
「Willow Weep For Me」にも同じことが言えて、とてもいいコンビネーションである。
「Memories Of You」は、永年一緒にやっている鈴木正男のクラリネットが、やはり余計な音は使わないシンプルさが、長田の歌と共に情感の豊かさを伝えてくる。
永年二人の演奏に立会い聴いているが、やはりこんなしっくりとくる演奏は無かったと思う。と言うくらい良い。
「As Long As Live」にも鈴木正男のクラリネットが加わっているが、こちらも飾り気の無いスイング感が心地いい。
もう一つ特筆しておくと、ファッツ・ウォーラーの「Ain’t Miss Behavin’」(ドン・シックラー参加)。こういう軽妙なナンバーはいいなぁ。長田明子の得意とする世界だろう。
それから先ほどの「Where Or When」について書いていてふと、リチャード・ロジャースとロレンツ・ハートのコンビのナンバーをもっと聴いてみたいと思った。「Blue Moon」、「My Funny Valentine」、「Bewitched」‥他に何を歌っていただろう‥「I Didn’t Know What Time It Was」なんてどうだろう‥
2009年8月31日。エディ・ヒギンズはまるで伝道者のように、我々にジャズの大きな包容力を、安らぎを、そして楽しむ術を教えてくれたような気がする。たくさんのCDを残して━
そんな中の3枚が、昨年から紹介してきた長田明子とのものである。我々は身近なミュージシャン、長田明子を通して、彼の音楽の楽しみのさらなる大きさを知った。
できれば長田明子との作品も、望むべくも無いがもっと残しておいて欲しかった。長田明子のもっと違った世界が楽しめたかもしれない。
エディ・ヒギンズもライナー・ノーツの中で言っている━
『私の50年以上のキャリアの中で、ビリー・ホリディ、アニタ・オディ、ジャック・ティーガーデン、ジョー・ウィリアム、ジョニー・ハートマン、メル・トーメ、アーネスティナ・アンダーソンといった多くの偉大なるジャズ・シンガーと一緒に仕事ができると言う、楽しみがありました。
いつからか、その素晴らしいシンガーと一緒にプレイさせて貰うことが、私の楽しみのひとつになりました。
アキコ・オサダと2回目の録音でもある今回のCDで、まさにその「楽しみ」がひとつ増えたようです。(後略)』(『A TIME FOR LOVE』ライナー・ノーツより)
長田明子の歌を通して、しみじみとした味わいの楽しみを教えてくれた偉大なピアニスト、 エディ・ヒギンズに感謝したい。
『A TIME FOR LOVE=EDDIE HIGGINS TRIO with AKIKO OSADA 2』
01 Where Or When
02 A Time For Love
03 Cry Me A River
04 Memories Of You
05 The Shining Sea
06 Willow Weep For Me
07 Between The Devil And The Deep Blue Sea
08 The Man I Love
09 As Long As I ve
10 I Wish You Love
11 Ain’t Misbehavin’
12 Stairway To Stars
13 Dream A Little Dream Of Me
14 A Child Is Born
メンバー
長田明子 (vo)
Eddie Higgins (pf)
Jay Leonhart (b)
Joe Ascione (ds)
Don Sickler (tp)
鈴木正男 (cla)
※エディ・ヒギンズとの長田明子のCD、第一作目『MY ROMANCE』、第二作目『A TIME FOR LOVE』、第三作目『WINTER MOON』ともに、多少在庫があるそうです。
このブログにてお問合せ、あるいはお申し込みいただければ手配をいたします。
2011年.新年明けましておめでとうございます。
今年はベニー・グッドマンが没して25年。と言うことは、「鈴木正男 & SWING TIMES」が結成されてから25年。やはり記念すべき年でもある。そしてその記念すべきコンサート・ライブも企画している。
今年一年大いにswingし、沢山の皆さんに楽しんでいただけるよう頑張たいと思う。とはいえ十年一日、いや二十五年一日のごとし変わることなくswingの楽しさを追いかけているのだが‥
不思議なものでこの二十五年間、ライブやコンサートを合わせて何百回となくやってきているのにも関わらず、ここへきてさらに新しいナンバーを手掛けるなど、むしろswingの面白さが広がっているように思う。
そんな節目の年を迎えて、鈴木正男、長田明子をはじめメンバー一同張りきると同時に、この一年を大いに楽しみにしている。
皆さんの応援を心からお願い申し上げます。

さて昨年を締めくくる年末恒例の『鈴木正男 & SWING TIMES “Count Down Party”』(南青山MANDALA)を、今年のお話し第1号にしようと思う。
いつものことながら大晦日のカウント・ダウンはお店は21時に開場、演奏開始は22時から。新年の0:00を挟んで3ステージの長丁場。にも関わらず店内はswingファンでいっぱい。
さすがに25年もやっていると、“SWINGに暮れ、SWINGに明け”のキャッチフレーズのごとくswingを楽しみながら新年を迎え、その足で近くの明治神宮に初詣をという善男善女も増えたのかも知れない。
オープニングの「Let’s Dance」もいつもよりテムポも少し速くエキサイトしていた。
次の「Don’t Be That Way」から「A String Of Pearls」へ。「A String Of Pearls」=真珠の首飾り=というとまずグレン・ミラーを思い起すだろうが、ベニー・グッドマンの「A String Of Pearls 」はよくswingしていて楽しい。この日のSWING TIMESのメンバーも良くノッていて、どの曲も実に聴きごたえあった。
一段と艶やかな長田明子の1曲目の「Alone Together」は、如何にも彼女らしいノリとのびのある声で楽しめた。
この曲での間奏で珍しくアルトの鈴木孝二が素晴らしいソロを聴かせてくれた。この日、鈴木孝二は久し振りに「In A Sentimental Mood」も聴かせてくれた。ベテランの味、いいもんだ。

第二部は新年を迎える前の、メンバーによるコンボでの演奏が「鈴懸の径」(鈴木正男 & 鈴木直樹)、「ハニー・サックルローズ」(大橋高志トリオ)、「ハーレムノクターン」(田辺信男)などの後、お馴染み「蛍の光」が静かに流れる中━
2011年1月1日0:00の時報と同時に客席からの祝福のクラッカー。とともに「When The Saints Go Marchin’ In」の演奏と手拍子の中、新しい年が始まった。
メンバーによるコンボでの各演奏は素晴らしかった。この日のお客さんはお年玉をもらったような気分になったに違いない。
特にピアノの大橋高志・ベース古里純一・ドラムス山下暢彦トリオの「Honey Suckle Rose」は秀逸だった。
第三部はグレン・ミラーをはじめ、ガーシュインやトミー・ドーシー、ハリー・ジェームス、さらに鈴木章治のお馴染みのナンバーで大いに盛り上がり、最後のアンコールは「When Your Smiling」で締めくくった。
長田明子の「Tennessee Waltz」、「As Time Goes By」、特に「It’s Only A Paper Moon」は良かった。
今年は25周年のイベントを11月に予定している。
是非一緒に大いにswingしようではありませんか。
今年もどうぞ、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。
次回のライブは2月28日(月)南青山MANDALAである。
第1部
1) Let’s Dance
2) Don’t Be That Way
3) A String Of Pearls
4) Anything For You
5) Sugar Foot Stomp
6) Alone Together (vo)
7) You Are Too Beautiful (vo)
8) I Let A Song Go Out Of My Heart (vo)
9) In A Sentimental Mood
10) Pic=A=Rib
第2部
Combo ~蛍の光~
1) When The Saints Go Marchin’ In
2) Swing Into Spring
3) On A Clear Day
4) Sometimes I’m Happy
5) Roll 'Em
第3部
1) Rhapsody In Blue
2)St. Louis Blues March
3) Moonlight Serenade
4) In The Mood
5) Tennessee Waltz (vo)
6) As Time Goes By (vo)
7) It’s Only A paper Moon (vo)
8) Well Get It
9) Sleepy Lagoon
10) Festival And Children
11) When Your Smiling
メンバー
<トランぺット>鈴木正晃、岸 義和、富田なおと、牧原正洋
<トロンボーン>小林 稔、内田光昭、吉池健二郎
<サックス>鈴木孝二、鈴木直樹、田辺信男、唐木洋介、大堀 博
<ピアノ>大橋高志、<ベース>古里純一、<ドラムス>山下暢彦
今年はベニー・グッドマンが没して25年。と言うことは、「鈴木正男 & SWING TIMES」が結成されてから25年。やはり記念すべき年でもある。そしてその記念すべきコンサート・ライブも企画している。
今年一年大いにswingし、沢山の皆さんに楽しんでいただけるよう頑張たいと思う。とはいえ十年一日、いや二十五年一日のごとし変わることなくswingの楽しさを追いかけているのだが‥
不思議なものでこの二十五年間、ライブやコンサートを合わせて何百回となくやってきているのにも関わらず、ここへきてさらに新しいナンバーを手掛けるなど、むしろswingの面白さが広がっているように思う。
そんな節目の年を迎えて、鈴木正男、長田明子をはじめメンバー一同張りきると同時に、この一年を大いに楽しみにしている。
皆さんの応援を心からお願い申し上げます。

さて昨年を締めくくる年末恒例の『鈴木正男 & SWING TIMES “Count Down Party”』(南青山MANDALA)を、今年のお話し第1号にしようと思う。
いつものことながら大晦日のカウント・ダウンはお店は21時に開場、演奏開始は22時から。新年の0:00を挟んで3ステージの長丁場。にも関わらず店内はswingファンでいっぱい。
さすがに25年もやっていると、“SWINGに暮れ、SWINGに明け”のキャッチフレーズのごとくswingを楽しみながら新年を迎え、その足で近くの明治神宮に初詣をという善男善女も増えたのかも知れない。
オープニングの「Let’s Dance」もいつもよりテムポも少し速くエキサイトしていた。
次の「Don’t Be That Way」から「A String Of Pearls」へ。「A String Of Pearls」=真珠の首飾り=というとまずグレン・ミラーを思い起すだろうが、ベニー・グッドマンの「A String Of Pearls 」はよくswingしていて楽しい。この日のSWING TIMESのメンバーも良くノッていて、どの曲も実に聴きごたえあった。
一段と艶やかな長田明子の1曲目の「Alone Together」は、如何にも彼女らしいノリとのびのある声で楽しめた。
この曲での間奏で珍しくアルトの鈴木孝二が素晴らしいソロを聴かせてくれた。この日、鈴木孝二は久し振りに「In A Sentimental Mood」も聴かせてくれた。ベテランの味、いいもんだ。

第二部は新年を迎える前の、メンバーによるコンボでの演奏が「鈴懸の径」(鈴木正男 & 鈴木直樹)、「ハニー・サックルローズ」(大橋高志トリオ)、「ハーレムノクターン」(田辺信男)などの後、お馴染み「蛍の光」が静かに流れる中━
2011年1月1日0:00の時報と同時に客席からの祝福のクラッカー。とともに「When The Saints Go Marchin’ In」の演奏と手拍子の中、新しい年が始まった。
メンバーによるコンボでの各演奏は素晴らしかった。この日のお客さんはお年玉をもらったような気分になったに違いない。
特にピアノの大橋高志・ベース古里純一・ドラムス山下暢彦トリオの「Honey Suckle Rose」は秀逸だった。
第三部はグレン・ミラーをはじめ、ガーシュインやトミー・ドーシー、ハリー・ジェームス、さらに鈴木章治のお馴染みのナンバーで大いに盛り上がり、最後のアンコールは「When Your Smiling」で締めくくった。
長田明子の「Tennessee Waltz」、「As Time Goes By」、特に「It’s Only A Paper Moon」は良かった。
今年は25周年のイベントを11月に予定している。
是非一緒に大いにswingしようではありませんか。
今年もどうぞ、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。
次回のライブは2月28日(月)南青山MANDALAである。
第1部
1) Let’s Dance
2) Don’t Be That Way
3) A String Of Pearls
4) Anything For You
5) Sugar Foot Stomp
6) Alone Together (vo)
7) You Are Too Beautiful (vo)
8) I Let A Song Go Out Of My Heart (vo)
9) In A Sentimental Mood
10) Pic=A=Rib
第2部
Combo ~蛍の光~
1) When The Saints Go Marchin’ In
2) Swing Into Spring
3) On A Clear Day
4) Sometimes I’m Happy
5) Roll 'Em
第3部
1) Rhapsody In Blue
2)St. Louis Blues March
3) Moonlight Serenade
4) In The Mood
5) Tennessee Waltz (vo)
6) As Time Goes By (vo)
7) It’s Only A paper Moon (vo)
8) Well Get It
9) Sleepy Lagoon
10) Festival And Children
11) When Your Smiling
メンバー
<トランぺット>鈴木正晃、岸 義和、富田なおと、牧原正洋
<トロンボーン>小林 稔、内田光昭、吉池健二郎
<サックス>鈴木孝二、鈴木直樹、田辺信男、唐木洋介、大堀 博
<ピアノ>大橋高志、<ベース>古里純一、<ドラムス>山下暢彦