アコースティックで、ハッピーなSwingのオーケストラ「鈴木正男& SWING TIMES」のブログ。頭の奥に、心の裏側に、身体の隅々まで届く軽い音楽のメッセージ。2011年には25周年を迎えます。
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ライブの楽しみは、いつものレパートリーをいつものように心地よく聴かせてもらうことはもちろんだが、意外な曲が聴けたり、意外な演奏が聴けたり、そうあることではないが時には一流のプロがトチッタリすることに出会えることなどにもある。
(個人的には、プロが間違えたりすると、今日はいい時に来た、とほくそえんだりするのだが‥)
そこがコンサートなどと違うところで、ライブの面白いところだろう。

「鈴木正男 & SWING TIMES」の定期ライブが10月27日(水)、いつもの南青山MANDALAであった。この日はいくつかのサプライズがあった。
まず第一に、ライブのスタート前にプログラムをみると、1セットの9番目に「Drum Boogie」とある。「SWING TIMES」では聴いたことの無いナンバーである。
(はゝ~、このことだな‥)と思い当たるふしがあった。何日か前に、リーダーの鈴木正男が「今度、面白い曲をやるから━」と言っていた。どうやら密かに何かを書いているらしい素振りだった。そうだ、これに違いない!と思いつつ本番の演奏を楽しみにすることにした。
ヴォーカル長田明子

「Drum Boogie」といえば、まずはジーン・クルーパである。が、この「Drum Boogie」を日本で有名にしたのは、誰あろう故ジョージ川口(2003年没)だろう。
彼流にアレンジした「Drum Boogie」は「原 信夫とシャープス&フラッツ」とのコンビでの売り物で、満場の喝采を浴びていた。そういえばジョージ川口が亡くなってからは、「Drum Boogie」を聴かなくなった。

和製ジーン・クルーパの八木秀樹の火を噴くようなドラムスもよかった。鈴木直樹のアルトも、菊池 宏のトランペットも、ビッグバンド華やかなりし頃を彷彿とさせる演奏だった。「SWING TIMES」の初演、ネタおろしとしては大成功である。
噺家でもネタおろしに立ち会えるチャンスなどというのはそうあることではない。そういう意味からも、この日のお客さんは幸運だったと言えよう。
とはいえそんな風に考え楽しんでいる人など、一人もいないと思うが━。
そんなことを思いつつ古い資料の中から、ジーン・クルーパの「Drum Boogie」を演奏している映像を引っ張り出して聴いてみた。こちらはかすれそうな映像だが演奏はもっと派手だ。
そういえばジョージ川口もジーン・クルーパに憧れてドラマーになったというだけあって、まさに華やかだった。ビッグバンドの、ジャズの華だった。
「SWING TIMES」の「Drum Boogie」も、これからもレパートリーとして大いに楽しませてくれることと思う。

休憩が終わって第2セットの頭が「Danny Boy」だった。
これも今までの「SWING TIMES」では聴かれなかったナンバーである。大体普段我々が聴く「Danny Boy」は、小編成でのテナーなどのフューチャーリングで聴くことが多い。大きな編成で聴くにしても、ストリングス(弦楽器)が加わったムード音楽としてである。
ビッグバンド・アレンジの「Danny Boy」というのも珍しい。ということもないのだが、この殆どベニー・グッドマン一辺倒で来た「SWING TIMES」でやることが珍しいのである。

そういえば、やはり鈴木正男がこんなことを言っていたことがある。
「ベニー・グッドマンに限らず、昔のいい曲を、スイート系の楽しい曲を掘り起こしてやりたいね!」
それがもしホントだとすれば、これは実にいいことである。「SWING TIMES」の演奏会はさらに厚く奥行きの深いものになって、ビッグバンドの、スイングの楽しさを味合わせてくれると思う。
そのはじまりが「Drum Boogie」であり、「Danny Boy」かも知れない。次に何が出てくるか、大いに楽しみだ。

それからデューク・エリントンのナンバー「Prelude To Kiss」。
これも「SWING TIMES」では珍しいナンバーといえよう。エリントン独特のアンサンブルとアルトサックスの吹きまわし━そのアルトは鈴木直樹。この手のエリントンものを今までに鈴木直樹で聴く機会もなかったから、興味深かった。なかなかよかった。さすがである。
アルト鈴木直樹

来年、結成25周年を迎える「鈴木正男 & SWING TIMES」だが、さらに面白くなりそうだ。幅も広がって、ますます楽しくなる。期待して欲しい。

今回のプログラム━
第1部
1 Let’s Dance
2 Don’t Be That Way
3 When You’re Smiling
4 Mostly Mozart
5 St. Louis Blues
6 I Should You Care(vo)
7 Autumn Serenade(vo)
8 I Thought About You(vo)
9 Drum Boogie
10 Memories Of You(orchestra arrange)
11 Stealin’ Apples
第2部
1 Danny Boy
2 Johnson Rag
3 I Knew Why
4 Moonlight Serenade
5 In The Mood
6 When Lights Are Low(vo)
7 My Romance(vo)
8 Oh Gee! Oh Joy!(vo)
9 Well Get It
10 Prelude To Kiss
11 Sing, Sing, Sing
12 Memories Of You
13 One O’clock Jump
メンバーは━
<トランペット>鈴木正晃、菊池 宏、岸 義和、城谷雄策
<トロンボーン>小林 稔、吉池健二郎、大門陽子
<サックス>鈴木孝二、鈴木直樹、田辺信男、唐木洋介、大堀 博
<ピアノ>大橋高志、<ギター>蓮見芳男、<ベース>ジャンボ小野、<ドラムス>八木秀樹
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【2010/11/02 17:40】 | SWING TIMES
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