アコースティックで、ハッピーなSwingのオーケストラ「鈴木正男& SWING TIMES」のブログ。頭の奥に、心の裏側に、身体の隅々まで届く軽い音楽のメッセージ。2011年には25周年を迎えます。
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ビッグ・バンドというのはご存知かと思うが、譜面がなくては演奏できない。
もちろんコンボ(6人位までの小編成)でも基本的には楽譜がなくては演奏できないのだが、スタンダードものなど昔からよく演奏されている曲はプレイヤーの誰もがメロディーもコードも知っている。
だから演奏直前にでも、キー(演奏する調)と、始まり方と終わり方、ソロの順番などの進行方法とテンポを打ち合わせれば(ヘッド・アレンジ)、即演奏に入れる。
もちろんコンボでのスタンダードナンバーでも、イントロを創ったり、途中に効果的なリフ(繰り返しのフレーズ)を創って挟んだりして、そのバンドの演奏のオリジナリティを出すことがある。
そういう時、つまり演奏にキチンとしたイメージのもとでの構成がある場合には、譜面が必要になる。

ところがビッグ・バンドの場合はメンバーが十何人もいる上に、同じ楽器が複数あるからそれぞれ役割を決めておかないと、演奏がメチャクチャになってしまう。
言いかえればアレンジャーが描いた曲のイメージのアンサンブルやソロ、あるいは仕掛けなどをメンバー全員が正確に演奏・再現するのには楽譜がなくてはならない。
つまりビッグ・バンドにとって楽譜は命なのである。

「鈴木正男 & SWING TIMES」はベニー・グッドマンの演奏を追求し、そのスイングを再現することをモットーとしたオーケストラであるために、グッドマンの演奏のできる楽譜が必要となる。
ところがそんな楽譜は売っているわけもなく、手に入れようがない。そこで聴き起こしをするのである。
クラリネット

「鈴木正男 & SWING TIMES」での譜面は、ほとんどがリーダーの鈴木正男がレコードやCDから、すべての楽器分のパート譜を聴いて起こしたものである。
これは実は大変な作業で、まず当然のことながら耳がよくなくてはならない。
たとえばトランペットが1番から4番まで4本あるわけだから、それぞれのトランペットの音をちゃんと捕まえなくてはならない。
トロンボーンなどの中間音の楽器はバックへ回ってアンサンブルをつくることが多く、やはり4本あるからそのそれぞれの音を聞き分け正確にとることは至難の技だろう、と素人考えながら思う。

それからこの譜面起こし作業で大事なことは正確に聴き取ることとともに、和音の進行や変化などの音楽的な理論、さらにアレンジャーの特性や傾向を知っていなければならない。
こう考えるとその作業たるや想像を絶するものがある。
鈴木正男が同じところを何回も聴きながら、五線紙に書きとっている姿が眼に浮かぶようである。
しかしそのお陰で、我々はあのベニー・グッドマンのスイングを改めて聴くことができ、その興奮を堪能できるのである。

先ほど、「SWING TIMES」の譜面はほとんどがリーダーの鈴木正男が聴いて起こしたもの、と書いたが、ではそうでないものもあるわけで、それはどういう楽譜かというと━

ベニー・グッドマンの遺品をはじめとした資料は、アメリカ コネチカット州ニューヘイブン市のイェール大学の「ベニー・グッドマンライブラリー」に収められている。
もちろんその中には実際に使われていた楽譜などもあるわけで、それは演奏を手掛ける者にとっては一度見てみたい、演奏してみたい、という宝物なのである。
鈴木正男も同じで、ベニー・グッドマンに傾倒するあまり、なんとかベニー・グッドマンが実際使っていた楽譜を手にしたい、と執念を持って追求した。
その結果、8曲のベニー・グッドマンオリジナルの楽譜を手に入れた。

1. Down South Camp Meeting
2. When You’re Smiling
3. Sometimes I'm Happy
4. Just You Just Me
5. Anything For You
6. Mission To Moscow
7. Muskrat Ramble
8. Humoresque
の8曲である。文字通り、「鈴木正男 & SWING TIMES」にとっての宝物であり、もう一歩ベニー・グッドマンに近づき沿うためのキーになった。

そういう意味での譜面の宝物はもう一つある。
それは鈴木正男の兄である鈴木章治のオリジナル━
1. Festival And Children(祭と子供)
2. A Ring With Pearl(真珠の指輪)
の2曲である。

「鈴木正男 & SWING TIMES」のライブやコンサートに行くと、これらの曲に出会うことができる。その時は、ベニー・グッドマンの、あるいは鈴木章治のスイングの心に触れて欲しい。
と同時に、鈴木正男をはじめとするメンバーの、スイングにかける熱い心とそこから生まれるスイングを堪能してほしい。
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【2010/09/21 09:45】 | SWING TIMES
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