‥25年。やはり月日としては長い‥。
その間、一流のミュージシャンを16人揃え、活動すると言うのは並大抵なことではない。が、大勢の客を前に演奏し、万来の拍手を受けるのは音楽家冥利に尽きるというもの。何ものにも変えがたいことである。

11月3日。「鈴木正男 & SWING TIMES」25周年コンサート & パーティは大盛況のうちに終わった。(ベニー・グッドマン没後25周年、鈴木章治17回忌も合わせて━)
渋谷のシアター・レストラン「東京メインダイニング」は開場(16:00)と同時に熱気に溢れていた。
お馴染み鈴木正男のクラリネットによる、オープニング「Let’s Dance」のイントロが流れ始めると、会場にどっと拍手が起こる。
滑らかに流れるようなサックス・セクションのアンサンブル‥そのアンサンブルに小気味よく絡んでくるクラリネット‥何回聴いただろうか、何回このオープニングにときめいたことだろうか!この日の「Let’s Dance」には、まず心が踊った。

第1部のプログラムに異変が起きた。
当初ベニー・グッドマンスタイルでの「Stardust」を予定していたが、譜面が間に合わないためプログラムには「Dou You Know What It Means To Miss New Orleans」で組んでいたのが、急遽間に合って本番前に差し替えたのである。
「~Miss New Orleans」も聴きたい曲の一つだが、今までにも何回か聴いている。グッドマンスタイルの「Stardust」は、SWING TIMESでは初めてで、どちらか選べといわれればこの際やはり「Stardust」であろう。
アンサンブルがよくてさりげなく、グッドマンの「Stardust」はシャレている。それにこの日の鈴木正男のクラリネットは良かった。得をした気分になった。
ところが第2部に入って、定番のグレン・ミラーものと長田明子のヴォーカルが済んだところで、鈴木正男が女性のお客さんから「~Miss New Orleansも聴きたかった!」といわれたということで、急遽やることになった。
どなたか知らないが、「~Miss New Orleansも聴きたい!」とおねだりした女性に拍手を贈りたい!大きい声ではいえないが、こんなおねだりは大歓迎である。
おかげさまで個人的に大好きなナンバー2つ、いずれも聴くことができた。泣く子と地頭ならぬ、女性客には勝てぬということか━
長田明子のヴォーカルも、「Everything I Love」、「You Are Too Beautiful」、「How Deep Is The Ocean」など実に良かったが、「I Thought About You」はちょっとテムポが遅かったようだった。

「Oh! Baby」と「Sing, Sing, Sing」はSWING TIMESならではの醍醐味、ドラマチックな演奏が楽しめた。
そしてその大作の間で囁いた岸 義和のトランペット、「You Made Me Love You」は甘く切なかった。彼はSWING TIMESでは同じハリー・ジェームスのヒット曲「Sleepy Lagoon」もやるが、酸いも甘いも噛み分けたというか、やはりベテランの旨みである。
レイ・アンソニーが好きだというだけに、彼のそんな演奏をもっと聴いてみたくなった。
アンコールで鈴木正男・直樹親子の2クラリネットでの「鈴懸の径」があった。しかもこのコンサートが鈴木章治の17回忌を兼ねているということもあるからだろうか、2人とも鈴木章治とまったく同じにやっていた。
そんな鈴木直樹の演奏に、客席から「親父を超えてるよ!」の掛け声が微笑ましかった。こんな時でないと、こんなシーンにはおよそ巡り合えないだろう。いいものを観せて、聴かせてもらった。
そしてアンコールの最後は「Good Bye」。
前にも書いたが、鈴木正男はこの曲をあまりやらない。この曲をやるともう後が無いようでいやだ、といっていた。が、この日はよほど気分がよかったのか━クラリネットのゆるやかなフレーズと、トランペットのミュートの音が、楽しかった祭りの余韻を耳の奥に残していた。
お客さまの中には、女優の馬渕晴子氏やグレン・ミラー生誕地協会の日本支部代表の青木秀臣氏、さらに故いソノてルヲ氏の奥様とそのお仲間をはじめ、いつものようにお馴染みのお客さまも揃われ、和気あいあい楽しいコンサート&パーティになった。
心から、厚く御礼を申し上げます。
「鈴木正男 & SWING TIMES」、四半世紀の区切りが終わった。
明日からまた、もっとSwingを!の活動が改めて始まる。
演奏曲目
第1部
Let’s Dance
Don’t Be That Way
The Earl
Sometimes I’m Happy
When You’re Smiling
Everything I Love (vo)
You Are Too Beautiful (vo)
I Thought About You (vo)
Hello Dolly
Stardust
Life Goes To A Party
第2部
Well Get It
Moonlight Serenade
Johnson Rag
When You Wish Upon A Star
Pennsylvania 6-5000
In The Mood
Just Squeeze Me (vo)
How Deep Is The Ocean (vo)
Oh Gee! (vo)
Do You Know What It Means To Miss New Orleans
Oh! Baby
You Made Me Love You
Sing, Sing, Sing
(encore)
鈴懸の径
Good Bye
メンバー
<トランペット> 鈴木正晃、岸 義和、菊地成浩、城谷雄策
<トロンボーン> 吉池健二郎、内田光昭、小林 稔
<サキソホーン> 唐木洋介、田辺信男、鈴木孝二、鈴木直樹、大堀 博
<ピアノ> 大橋高志、<ギター> 佐久間 和、<ベース> ジャンボ小野、<ドラムス> 八木秀樹
※文中、敬称は略させていただいています。
※この11月3日の25周年コンサートの、第2部あたりから急に喉がおかしくなり風邪気味になった。終演後、打ち上げはもちろん、後片付けもそこそこに帰宅したが、すっかり寝込んでしまった。
そのため25周年の報告の本稿が遅くなってしまった。お詫び申し上げます。
その間、一流のミュージシャンを16人揃え、活動すると言うのは並大抵なことではない。が、大勢の客を前に演奏し、万来の拍手を受けるのは音楽家冥利に尽きるというもの。何ものにも変えがたいことである。

11月3日。「鈴木正男 & SWING TIMES」25周年コンサート & パーティは大盛況のうちに終わった。(ベニー・グッドマン没後25周年、鈴木章治17回忌も合わせて━)
渋谷のシアター・レストラン「東京メインダイニング」は開場(16:00)と同時に熱気に溢れていた。
お馴染み鈴木正男のクラリネットによる、オープニング「Let’s Dance」のイントロが流れ始めると、会場にどっと拍手が起こる。
滑らかに流れるようなサックス・セクションのアンサンブル‥そのアンサンブルに小気味よく絡んでくるクラリネット‥何回聴いただろうか、何回このオープニングにときめいたことだろうか!この日の「Let’s Dance」には、まず心が踊った。

第1部のプログラムに異変が起きた。
当初ベニー・グッドマンスタイルでの「Stardust」を予定していたが、譜面が間に合わないためプログラムには「Dou You Know What It Means To Miss New Orleans」で組んでいたのが、急遽間に合って本番前に差し替えたのである。
「~Miss New Orleans」も聴きたい曲の一つだが、今までにも何回か聴いている。グッドマンスタイルの「Stardust」は、SWING TIMESでは初めてで、どちらか選べといわれればこの際やはり「Stardust」であろう。
アンサンブルがよくてさりげなく、グッドマンの「Stardust」はシャレている。それにこの日の鈴木正男のクラリネットは良かった。得をした気分になった。
ところが第2部に入って、定番のグレン・ミラーものと長田明子のヴォーカルが済んだところで、鈴木正男が女性のお客さんから「~Miss New Orleansも聴きたかった!」といわれたということで、急遽やることになった。
どなたか知らないが、「~Miss New Orleansも聴きたい!」とおねだりした女性に拍手を贈りたい!大きい声ではいえないが、こんなおねだりは大歓迎である。
おかげさまで個人的に大好きなナンバー2つ、いずれも聴くことができた。泣く子と地頭ならぬ、女性客には勝てぬということか━
長田明子のヴォーカルも、「Everything I Love」、「You Are Too Beautiful」、「How Deep Is The Ocean」など実に良かったが、「I Thought About You」はちょっとテムポが遅かったようだった。

「Oh! Baby」と「Sing, Sing, Sing」はSWING TIMESならではの醍醐味、ドラマチックな演奏が楽しめた。
そしてその大作の間で囁いた岸 義和のトランペット、「You Made Me Love You」は甘く切なかった。彼はSWING TIMESでは同じハリー・ジェームスのヒット曲「Sleepy Lagoon」もやるが、酸いも甘いも噛み分けたというか、やはりベテランの旨みである。
レイ・アンソニーが好きだというだけに、彼のそんな演奏をもっと聴いてみたくなった。
アンコールで鈴木正男・直樹親子の2クラリネットでの「鈴懸の径」があった。しかもこのコンサートが鈴木章治の17回忌を兼ねているということもあるからだろうか、2人とも鈴木章治とまったく同じにやっていた。
そんな鈴木直樹の演奏に、客席から「親父を超えてるよ!」の掛け声が微笑ましかった。こんな時でないと、こんなシーンにはおよそ巡り合えないだろう。いいものを観せて、聴かせてもらった。
そしてアンコールの最後は「Good Bye」。
前にも書いたが、鈴木正男はこの曲をあまりやらない。この曲をやるともう後が無いようでいやだ、といっていた。が、この日はよほど気分がよかったのか━クラリネットのゆるやかなフレーズと、トランペットのミュートの音が、楽しかった祭りの余韻を耳の奥に残していた。
お客さまの中には、女優の馬渕晴子氏やグレン・ミラー生誕地協会の日本支部代表の青木秀臣氏、さらに故いソノてルヲ氏の奥様とそのお仲間をはじめ、いつものようにお馴染みのお客さまも揃われ、和気あいあい楽しいコンサート&パーティになった。
心から、厚く御礼を申し上げます。
「鈴木正男 & SWING TIMES」、四半世紀の区切りが終わった。
明日からまた、もっとSwingを!の活動が改めて始まる。
演奏曲目
第1部
Let’s Dance
Don’t Be That Way
The Earl
Sometimes I’m Happy
When You’re Smiling
Everything I Love (vo)
You Are Too Beautiful (vo)
I Thought About You (vo)
Hello Dolly
Stardust
Life Goes To A Party
第2部
Well Get It
Moonlight Serenade
Johnson Rag
When You Wish Upon A Star
Pennsylvania 6-5000
In The Mood
Just Squeeze Me (vo)
How Deep Is The Ocean (vo)
Oh Gee! (vo)
Do You Know What It Means To Miss New Orleans
Oh! Baby
You Made Me Love You
Sing, Sing, Sing
(encore)
鈴懸の径
Good Bye
メンバー
<トランペット> 鈴木正晃、岸 義和、菊地成浩、城谷雄策
<トロンボーン> 吉池健二郎、内田光昭、小林 稔
<サキソホーン> 唐木洋介、田辺信男、鈴木孝二、鈴木直樹、大堀 博
<ピアノ> 大橋高志、<ギター> 佐久間 和、<ベース> ジャンボ小野、<ドラムス> 八木秀樹
※文中、敬称は略させていただいています。
※この11月3日の25周年コンサートの、第2部あたりから急に喉がおかしくなり風邪気味になった。終演後、打ち上げはもちろん、後片付けもそこそこに帰宅したが、すっかり寝込んでしまった。
そのため25周年の報告の本稿が遅くなってしまった。お詫び申し上げます。
スポンサーサイト
| ホーム |