アコースティックで、ハッピーなSwingのオーケストラ「鈴木正男& SWING TIMES」のブログ。頭の奥に、心の裏側に、身体の隅々まで届く軽い音楽のメッセージ。2011年には25周年を迎えます。
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すっかり秋になった。
不思議なもので暑くてうんざりしているときは食傷気味でなかなかそんな気も起きなかったが、秋めいてきた途端にライブでもCDでも、その気になってくる。今年は少々遅くなった。
前回、「夏を惜しみすぎると、秋に遅れます。」と紹介した、「鈴木正男 & SWING TIMES」のCo-Leaderでありヴォーカリストの長田明子CD「WINTER MOON」に続いて、「MY ROMANCE」を紹介しよう。まさにちょうど良い季節になった。

前回もお話したが、長田明子はすでに3枚アルバムをリリースしているが、前回紹介した「WINTER MOON」は一番後(2006年)で、今回の「MY ROMANCE」が最初(2001年)である。間に「A TIME FOR LOVE」(2002年)があるが、それはまた後日紹介することにする。
MY ROMANCE

1曲目の「Bewitched」(魅惑されて)が流れ始めて、それにしてもうまいなぁ!と改めて聴き入ってしまった。
ライナーノーツで評論家の瀬川昌久氏も書いている。
ジャズは、そのアーティストによって千差万別のスタイルがあり、その個性や特色の違いがあるからこそ、それをききわける楽しみや面白さが生まれてくる。(中略)
非常にストレートに素直に歌う歌手もあれば、個性的なスタイルを強調してアピールする歌手もいる。個性をもつことは悪いことではないが、そこに説得力がなければ、単なる「個人的な癖」に終わってしまう。(中略)
日本人歌手の唄をきく度に、その歌い方の個性と説得力が調和しているかどうかが、気にかかる。(中略)としたうえで━
長田明子のアルバムを受けとって、①の「ビウイッチド」をきき始めた途端、彼女がこのレコーディングまで、満を持して、長い経験をつんできた努力が、まさに正解だった、と強く感ぜられた。音楽大学オペラ科で、声楽を専門的に受講して以来30年の間に、彼女が習得した数々の音楽とボーカルの体験が、このアルバム13曲の中に凝縮されて、長田明子ならではの優れた歌唱力が光り輝いている。━と言い、また━
最近きいたボーカル・アルバムの中で、これほど凡ゆる条件が理想的に整って制作された例は他にないと思った。━とも書いている。(2000/10/15)

1曲目の「Bewitched」をはじめ、「Autumn In New York」、「Someone To Watch Over Me」、さらにタイトルの「My Romance」など、誰もがよく知るスロー・バラードの味わいを、詞や曲のうまみをさらに掘り下げて教えてもらったような気がする。
それにどうしてこんな風にうたえるんだろう、と改めて不思議に思う。いつの間にか彼女の空気の中にすっぽりと入り込んで、じっとしている自分がそこにいる。
レコーディング中の長田明子

かといってスロー・バラードばかりでなく、スインギーなナンバーも独特のスイング感が何とも言えず快い。
特にデューク・エリントンの「Just Squeeze Me」(詞 リー・ゲインズ)は楽しめる。ピアノトリオのバックなのに、何だかオーケストラをバックに歌っているかのような不思議な抑揚とダイナミックさを感じる。

そう、前回の「WINTER MOON」の時にも書いたが、この長だ明子のCD3作はピアノの巨匠エディ・ヒギンズがバックにいる。
今回の「MY ROMANCE」はベースとドラムスとのトリオだが、このトリオがまた良く、長田明子の歌を、ムードを引き立て楽しませてくれる。何ともいえない、絶妙なコンビネーションである。
エディ・ヒギンズのピアノにひかれ、どうしてもとお願いしたという長田明子のレコーディング・ディレクターとしてのセンスのよさの表れでもあろう。

1, Bewitched(魅惑されて)
2. Autumn In New York(ニューヨークの秋)
3. East Of The Sun (And West Of The Moon)
4. I’ll Be Around
5. Close Your Eyes
6. If Someday Comes Ever Again
7. Sposin’
8. We’ll Be Together Again
9. Someone To Watch Over Me
10.Just Squeeze Me (But Don’t Tease Me)
11.My Romance
12.What Are You Doing The Rest Of Your Life?
13.While We7re Young

AKIKO OSADA (vo)
EDDIE HIGGINS (pf)
MICHAEL MOORE (b)
JOE ASCIONE (ds)

ビッグ・バンドでの長田明子もいい。が、エディ・ヒギンズ・トリオでの長田明子には滲み出るペーソスがある。一人静かにそっと浸ってほしい。
お問い合わせ、またご注文はこのブログでも受け付けている。
rednow@jazzland.jpまでご連絡いただければ━
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【2010/09/29 22:18】 | CD紹介
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ビッグ・バンドというのはご存知かと思うが、譜面がなくては演奏できない。
もちろんコンボ(6人位までの小編成)でも基本的には楽譜がなくては演奏できないのだが、スタンダードものなど昔からよく演奏されている曲はプレイヤーの誰もがメロディーもコードも知っている。
だから演奏直前にでも、キー(演奏する調)と、始まり方と終わり方、ソロの順番などの進行方法とテンポを打ち合わせれば(ヘッド・アレンジ)、即演奏に入れる。
もちろんコンボでのスタンダードナンバーでも、イントロを創ったり、途中に効果的なリフ(繰り返しのフレーズ)を創って挟んだりして、そのバンドの演奏のオリジナリティを出すことがある。
そういう時、つまり演奏にキチンとしたイメージのもとでの構成がある場合には、譜面が必要になる。

ところがビッグ・バンドの場合はメンバーが十何人もいる上に、同じ楽器が複数あるからそれぞれ役割を決めておかないと、演奏がメチャクチャになってしまう。
言いかえればアレンジャーが描いた曲のイメージのアンサンブルやソロ、あるいは仕掛けなどをメンバー全員が正確に演奏・再現するのには楽譜がなくてはならない。
つまりビッグ・バンドにとって楽譜は命なのである。

「鈴木正男 & SWING TIMES」はベニー・グッドマンの演奏を追求し、そのスイングを再現することをモットーとしたオーケストラであるために、グッドマンの演奏のできる楽譜が必要となる。
ところがそんな楽譜は売っているわけもなく、手に入れようがない。そこで聴き起こしをするのである。
クラリネット

「鈴木正男 & SWING TIMES」での譜面は、ほとんどがリーダーの鈴木正男がレコードやCDから、すべての楽器分のパート譜を聴いて起こしたものである。
これは実は大変な作業で、まず当然のことながら耳がよくなくてはならない。
たとえばトランペットが1番から4番まで4本あるわけだから、それぞれのトランペットの音をちゃんと捕まえなくてはならない。
トロンボーンなどの中間音の楽器はバックへ回ってアンサンブルをつくることが多く、やはり4本あるからそのそれぞれの音を聞き分け正確にとることは至難の技だろう、と素人考えながら思う。

それからこの譜面起こし作業で大事なことは正確に聴き取ることとともに、和音の進行や変化などの音楽的な理論、さらにアレンジャーの特性や傾向を知っていなければならない。
こう考えるとその作業たるや想像を絶するものがある。
鈴木正男が同じところを何回も聴きながら、五線紙に書きとっている姿が眼に浮かぶようである。
しかしそのお陰で、我々はあのベニー・グッドマンのスイングを改めて聴くことができ、その興奮を堪能できるのである。

先ほど、「SWING TIMES」の譜面はほとんどがリーダーの鈴木正男が聴いて起こしたもの、と書いたが、ではそうでないものもあるわけで、それはどういう楽譜かというと━

ベニー・グッドマンの遺品をはじめとした資料は、アメリカ コネチカット州ニューヘイブン市のイェール大学の「ベニー・グッドマンライブラリー」に収められている。
もちろんその中には実際に使われていた楽譜などもあるわけで、それは演奏を手掛ける者にとっては一度見てみたい、演奏してみたい、という宝物なのである。
鈴木正男も同じで、ベニー・グッドマンに傾倒するあまり、なんとかベニー・グッドマンが実際使っていた楽譜を手にしたい、と執念を持って追求した。
その結果、8曲のベニー・グッドマンオリジナルの楽譜を手に入れた。

1. Down South Camp Meeting
2. When You’re Smiling
3. Sometimes I'm Happy
4. Just You Just Me
5. Anything For You
6. Mission To Moscow
7. Muskrat Ramble
8. Humoresque
の8曲である。文字通り、「鈴木正男 & SWING TIMES」にとっての宝物であり、もう一歩ベニー・グッドマンに近づき沿うためのキーになった。

そういう意味での譜面の宝物はもう一つある。
それは鈴木正男の兄である鈴木章治のオリジナル━
1. Festival And Children(祭と子供)
2. A Ring With Pearl(真珠の指輪)
の2曲である。

「鈴木正男 & SWING TIMES」のライブやコンサートに行くと、これらの曲に出会うことができる。その時は、ベニー・グッドマンの、あるいは鈴木章治のスイングの心に触れて欲しい。
と同時に、鈴木正男をはじめとするメンバーの、スイングにかける熱い心とそこから生まれるスイングを堪能してほしい。

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【2010/09/21 09:45】 | SWING TIMES
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1995年9月10日、「鈴木章治とリズム・エース」の鈴木章治が亡くなって、今日で15年になる。

鈴木章治はご存知のように、「鈴木正男 & SWING TIMES」のリーダー鈴木正男の次兄である。
そして鈴木章治といえば、ピーナッツ・ハッコーとの2クラリネットでの「鈴懸の径」で一世を風靡(1957年)し、ある意味我々にジャズの快さを教えてくれたミュージシャンといっても過言ではないだろう。
あの「鈴懸の径」を聴いてジャズファンになった方も多いことと思う。
プラタナス(鈴懸)

前々回「晩夏の晩の、ドラマチック・スイング」でも紹介したが、8月31日の南青山MANDALAでの「SWING TIMES」の定期ライブでは、かつて鈴木章治と鈴木正男兄弟の2クラリネットでレコーディングしたように、鈴木正男とその息子鈴木直樹との2クラリネットによる「鈴懸の径」の演奏があった。
前にも書いたが何とも言えない雰囲気があり、懐かしさとともにこの曲の滋味のようなものを味わったような気がしたのは私だけだろうか。
考えてみればこの曲は50年以上にわたって聴き続けたことになるが、他の永年聴いているスタンダード・ナンバーとちょっと違うのは、日本の曲であるということと、我々はこの曲が世に出たとき(1957年)に立ち会えていたということが大きいと思う。
初めてあの曲を耳にしたときの、鳥肌の立つような思いをしたことを忘れることができない。

誤解のないようにお断りしておくと、この「鈴懸の径」は1942年(昭和17年)に灰田勝彦が歌ってヒットした曲である。
だから前述の、この曲が世に出たとき(1957年)というのは、当然のことながら「鈴木章治とリズム・エース」が、スイング・ジャズとして世に出したという意味である。
蛇足ながら、ちょっと付け加えておく。

弟の鈴木正男に会うと、どうしても鈴木章治の話を聞きたくなり、あれこれとほじくり出しては聞いている。
子供の頃の話、クラリネットを勉強している時の話、酒の呑めなかった鈴木章治が何故呑むようになったかという話、レコーディングの裏話etc. 名曲・名演奏のバックボーンを聞いているようで、いやある意味日本のジャズ史について聞いているようで時間の経つのも忘れてしまう。

来年は鈴木章治の17回忌である。そしてベニー・グッドマンの没後25周年でもあり、また「鈴木正男 & SWING TIMES」の結成25周年でもあることから、すべてを記念してコンサートを開こうと計画している。
まだ日程・場所など詳細は決まっていないが、決まり次第ここにてお知らせする。その時は是非皆さんと一緒に、ベニー・グッドマンを、鈴木章治を偲び、そして彼らの愛した音楽を、我々が大好きなジャズを存分に楽しみたいと思う。
よろしくお願いいたします。

昔のレコード、大切に保存していたEP盤を久々に持ち出して、レコード針が盤面を擦る音、ホコリの音とともに「鈴懸の径」をゆっくりと聴いてみたいと思う。

【2010/09/10 11:02】 | 鈴木章治
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何十年前かの、化粧品会社のヘッドラインをつい想い出してしまった。
前稿で約束をした、当ブログ主「鈴木正男 & SWING TIMES」のCo-Leaderであり、ヴォーカリストの長田明子のCDについて書こうと思い、CDを聴き出してふと想い出したフレーズである。

長田明子はすでに3枚のCDをリリースしている。
「MY ROMANCE」(2001年)、「A TIME FOR LOVE」(2002年)、「WINTER MOON」(2006年)。そして注目すべきはそのいずれのCDにも、名ピアニスト エディ・ヒギンズがバックにいるということ。
いわばAKIKO OSADA with EDDY HIGGINSシリーズということである。この酸いも甘いも噛み分ける大ベテランのエディ・ヒギンズだからこそ、長田明子の噛みしめながら歌い味わう良さを引き出し、楽しませてくれているのだと思う。
(「MY ROMANCE」と「A TIME FOR LOVE」はトリオ。「WINTER MOON」はギターとのデュオ)
今回はまず「WINTER MOON」からご紹介しよう。この百何十年振りかの猛暑日連続のさ中に「WINTER MOON」もないだろうが、前述のように、夏を惜しみすぎると‥ではないが、じっくりといいヴォーカルを味わって欲しい。
WINTER MOON

今年の夏は異常な暑さで、9月に入ってもまだとんでもない暑さで、そんな中で「WINTER MOON」を聴いた。
1曲目の「Left Alone」のヒギンズのイントロが流れ、長田明子のよく通る落ち着いた声での━Where’s the love that’s made to fill my heart? …との歌いだしが耳に入ってきた途端、冒頭のフレーズを想い出した。
それほど彼女の歌は、暑さに押しやられていた秋の味わい深さをそっと引き寄せてくれた。(そうだよ、我々にはこういう楽しみがあったんだ。暑さにうんざりばかりしてられない‥うっかりしていた。)

「Stompin’ At The Savoy」もそう。スイングのお馴染みのナンバーとして、ほとんどがインストルメンタルで聴くことが多いが…そうか、こんな風にして味会うこともできるんだと、新しい発見があった。
そういえばこのアルバムを聴いていて、新しい発見というか新しい味わいを教えてもらったという想いをもったナンバーが幾つかあった。

それはもしかしたら、彼女のオリジナルのメロディーを、曲想を大切に歌う歌唱法にあるのではないだろうか。
巧みに歌うヴォーカリストでも、この人はオリジナルの曲をちゃんと知っているんだろうか、と思わせるような‥誰かのフェイクを、アドリブをとってつけたように歌い込んだりするのは、その誰かの歌を元に憶えて歌っているからだろう。
そんな初歩的なことは別にして、長田明子の歌にはオリジナルの曲の、決して軽佻浮薄なジャズっぽさなどをおっかけない堂々とした歌心があるように思う。
長田明子

長田明子は東京声楽専門学校(現昭和音楽大学)の本科、オペラ科に在学し、ソプラノの砂原美智子とアルトの川崎静子に師事した。
1971年から’85年までキティ・レコード制作部に勤務し、小椋 佳や上田正樹ら多くのアーティストのレコーディング・ディレクターをつとめた。
1986年、ベニー・グッドマンの死を機に、クラリネットの鈴木正男と共同でビッグ・バンド「SWING TIMES」を結成。(以下はプロフィールを参照)
クラシックを勉強し、多くのアーティストの活動をじっくり眺めた上でのヴォーカルである。

「WINTER MOON」の全曲目は━
1. Left Alone 2.Stompin’ At The Savoy 3.More Than You Know 4.Summer Song 5.I Love You Porgy 6.Poor Butterfly 7.How Deep Is The Ocean 8.Old Devil Moon 9.Can’t Help Lovin’ Dat Man 10.I’m Beginning To See The Light 11.All This And Heaven Too 12.Get Out Of Town 13.Winter Moon 14.Young And Foolish
またパーソナルは━
EDDIE HIGGINS(pf), JOE COHN(gui.)

是非一度お聴きいただきたい。
まだまだ、9月になったというのにいつ暑さが衰えるか予想もつかない。秋の豊かさを、楽しみを告げるともいえる、長田明子の「WINTER MOON」である。
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【2010/09/04 20:37】 | CD紹介
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「Oh! Baby」はクラリネットがリードするコンボ(小編成)で始まり、途中からビッグ・バンドをバックに、クラリネットとビッグ・バンドが呼応しあうというか追っかけあう、スリリングでドラマチックな楽しい曲。

明日から9月、残暑も終わりそろそろ秋風が‥と思いきや真夏でもそうないだろうというような太陽がカーッ!日が落ちてもその余熱がムワーッときて、まさに熱いトタン屋根の猫状態にもかかわらず、南青山MANDALAでの「鈴木正男 & SWING TIMES」の定期ライブはいつになく超満員だった。
SWING TIMES

この日(8月31日)は今いうようにまずお客さまに、そしてメンバーに、さらにプログラムにとドラマチックな要素が揃っていた。
その第一が前述の「Oh! Baby」。
快いテンポの上に、最初はクラリネットと4リズムの掛け合い。それからブラス、サックスセクションが加わり、クラリネットが呼びかけブラスとサックスが同じフレーズで応える。この小気味よさが堪らなくいい。

この曲で想い出すのは、14年前、「鈴木正男 & SWING TIMES」10周年のコンサート(麻布の東京アメリカンクラブでのディナーコンサート)の時、「鈴木章治とリズムエース」のメンバーだったヴァイブラホーンの松崎龍生をゲストに迎え、この「Oh! Baby」をやった。
実はこの前の年(1995年9月10日)、リーダーの鈴木正男の兄鈴木章治が亡くなり、その追悼も兼ねてメンバーだった松崎龍生を加えての「Oh! Baby」だったのだが‥クラリネットにヴァイブ、そしてオーケストラ、それは見事な演奏だった。
ヴァイブこそ無かったが、今回のMANDALAでの演奏も実にスリリングで興奮した。

ドラマチックといえば、ロシアの作曲家プロコフィエフの「ピーターと狼」のスイング・オーケストラ版。
小学生の頃、音楽の時間に鑑賞した「ピーターと狼」。そのピーターのテーマがスイングになって展開していく。スイングジャズのしなやかさというか、遊び心というかシャレっぽさを見たような気がする。
鈴木正男 & 直樹

この日特別サービスといおうか、お土産とでもいおうか、お客さんが大喜びしたスペシャル演奏があった。
この日珍しくリーダー鈴木正男の次男(鈴木章治の甥)鈴木直樹がサックスラインに加わっていた。そこで第2部の始まりに、鈴木正男・鈴木直樹親子の2クラリネットでの「鈴懸の径」があった。
何年に1回あるかないかの、言ってみれば本家本元の「鈴懸の径」である。ただ単にクラリネットが2本揃ったからというだけではない、何ともいえない味のある「鈴懸の径」であった。
鈴木章治と弟正男との2クラリネットの演奏(レコーディング)もあった。そしてその弟とその息子と‥そうか音楽にも、ジャズにもこういうことがあるんだ。いいもんだ‥。

今度近く長田明子のCDを紹介しようと思うが、この日の彼女のヴォーカルも良かった。
中でもメンバーのピアノの大橋高志が書いたという「I Got Rhythm」は、鈴木正男のクラリネットとのユニゾン(同じメロディーを一緒に演奏)でのスキャットがあり、聴き応えがあった。
そして「Georgia On My Mind」は妙に雰囲気をつけない、いかにも彼女らしい歌い方がとてもいい。それに「You Turned The Tables On Me」はオーケストラをバックに、昔から得意としているレパートリーだけに、最近では見られないいかにもバンド付きの歌い手というような雰囲気で大いに楽しめた。
このヴォーカルのもう一つの楽しみは、間奏に誰が立ち上がるか分からないソリストの味わいがある。田辺信男(ts)、唐木洋介(ts)、内田光昭(tb)等々、何とも言えない素敵なソロを聴かせてくれる。
長田明子

この日のプログラムとメンバーを紹介しておこう。
第1部
1.Let’s Dance 2.Goody Goody 3.Anything For You 4.Sugar Foot Stomp
5.Sometimes I’m Happy 6.Georgia On My Mind(vo) 7.September In The Rain(vo)
8.You Turned Table On Me(vo) 9.A Ring With Pearl 10.Smile 11.Peter Ang The Wolf
第2部
1.鈴懸の径 2.Star Dust 3.A String of Pearls 4.American Patrol 5.Moonlight Serenade 6.In The Mood 7.I Got Rhythm(vo)、8.Fools Rsh In(vo) 9.Fly Me To The Moon(vo) 10.Oh ! baby 11.Sleepy Lagoon 12.Festival And Children 13.Happy Session Blues

第1部の9.A Ring With Pearl(真珠の指輪)と、第2部の12.Festival And Children(祭りと子供たち)の2曲は、リーダー鈴木正男の兄 鈴木章治の作曲である。2曲ともに、実にドラマチックで名曲である。

こんなメンバー、なかなか揃わない。この日のお客は大喜びだった。
<トランペット>鈴木正晃、岸 義和、間宮良二、牧原正洋
<トロンボーン>内田光昭、吉池健二郎、小林 稔
<サックス>鈴木孝二、鈴木直樹、田辺信男、唐木洋介、大堀 博
<ピアノ>大橋高志、<ギター>蓮見芳男、<ベース>ジャンボ小野、<ドラムス>八木秀樹
<クラリネット>鈴木正男、<ヴォーカル)長田明子

暑く熱く、ドラマチックな晩でした。
※敬称略

【2010/09/02 20:21】 | SWING TIMES
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